ダイバーシティサッカー・フェスティバルを開催しました

2024年3月9日、東京のミズノフットサルプラザBumBで、ダイバーシティサッカー・フェスティバルを開催しました。

これまで、東京・大阪で8回開催してきたフットサル交流会ダイバーシティカップですが、新型コロナウイルスの影響で休止に。約4年ぶりの大規模な大会ということで、ダイバーシティサッカー・フェスティバルという形でアップデートしての開催となりました。

当日は、今年度、東北や関東、関西で展開したリーグ戦に参加したチームに加え、在日ミャンマー人やホームレス・ワールドカップ元韓国代表選手らによるチームなど、合計14団体、16チーム、およそ200人が参加しました。

開会式では、チーム紹介に加え、野武士ジャパン大阪チームのメンバーである玉玉亭 壱秀(たまたまてい いっしゅう)さんがオープニング講談を披露しました。講談とは、人生の選択を物語として描く日本の伝統話芸で、壱秀さんはビッグイシュー講談部のメンバーとして、プロの講談師にも師事し、自身の経験や人生などを講談にして語っています。今回は、「ダイバーシティサッカー」をテーマに、ダイバーシティサッカー協会の成り立ちや野武士ジャパンの活動について語りました。

オープニング講談の様子

また、野武士東京のメンバーの菊地涼太さんが開会宣言を行いました。菊地さんは、自身の意思に反して体が動いたり、言葉を発してしまうトゥレット症の当事者で、自らの症状の紹介とともに、配慮し合いながらそれぞれが楽しめる大会にしましょうと呼びかけていました。

開会式の後は、参加者全員で心と体をほぐすアイスブレイクを行いました。Jクラブで知的障害のある子どもなどへのサッカーの指導経験がある田中三千太郎さんの案内の元で、じゃんけんゲームを実施。時間内に勝ち続けることを競い合うだけでなく、負け続けることを競いあったり、負けた人は勝った人の列の後ろに並び、長い列をつくることを競うなどのプログラムを通じて、大人数が一斉に交流しました。

フットサルの対戦では、ほぼ通常通りのフットサルルールのExcellence of Diversity部門(Aリーグ)と特殊なルールの提案も可能なDiversity of Excellence部門(Bリーグ)の2つのカテゴリーごとに、4つのグループリーグで総当たりで試合をしました。
Diversity of Excellence部門の対戦では、ウォーキングサッカーや得点したチームのメンバーが失点したチームに移るといったルールでの試合が行われました。

午後の対戦は、午前のグループリーグの順位に基づいて上位グループと下位グループに分かれて再度総当たりで試合をしました。

午前と午後のグループリーグの合間には、ランチブレークを兼ねたハーフタイムショーも実施しました。アオキ裕キさんが主宰し、路上生活経験者によって構成されるダンス集団「新人Hソケリッサ!」がパフォーマンスを行い、参加者と一緒におどる場面もありました。ソケリッサのメンバーで、野武士東京として試合にも出場した山下さんは「5年ぶりに大会に参加し、久しぶりにボールも蹴れて楽しかった。ソケリッサも野武士も長く関わっており、昔から大会の中で踊ることができたらいいなと思っていたが、念願が叶いました」と話しました。また、午後からは、サッカー以外を目的に交流したい人を対象に、会議室を使ったボッチャ体験なども行いました。

ハーフタイムショーでパフォーマンスをする山下さん

Excellence of Diversity部門の優勝は、日本に住むミャンマー人によって構成された「ダイヤモンドFC」でした。メンバーのカーカさんは、「とても楽しい1日でした。イベントの少し前に声をかけられて参加を決めたが、交流もできて良かったです」と話していました。

ダイヤモンドFCのメンバー

また、Diversity of Excellence部門の優勝は、韓国から参加していたTHE BIG ISSUE KOREAでした。チームスタッフのアン・ビョンフンさんは、「ルールをお互いに提案するという仕組みが面白かったです。あまり感情を外に出さない選手が多かったのでリアクションが分かりづらかったかもしれませんが、得点した選手が相手チームに加わるなどのルールが楽しかったようです」と語りました。

挨拶をするアン・ビョンフンさん(写真中央)

閉会式では、各リーグの優勝・準優勝の表彰に加え、お互いを尊重したり、チームとして楽しんだ個人やチームを表彰する特別賞などの表彰も行いました。また、チームごとのふりかえりも実施し、チーム内でのMVPを決めたり、自身やチームメイトのよかった部分をあげるということを行いました。

参加チーム一覧

Excellence of Diversity部門
育て上げネット
ブルースカイ
まきばFC Aチーム
THE BIG ISSUE KOREA
文化学習協同ネットワーク
東京グレイス・ロード Aチーム
サンカクシャ
ダイヤモンドFC

Diversity of Excellence部門
野武士東京
野武士大阪&クレセントーレ合同
レーヴェン勝田台
ゆどうふ
まきばFC Bチーム
千葉『共に』暮らすフットボール協会
東京グレイス・ロード Bチーム
アソビリズム